【宅建試験】権利関係の勉強法とは?優先順位や必ず出る問題は?
- 2024.01.30

権利関係は宅建試験の中でも、苦手とする方が多い分野です。
「権利関係の勉強が難しくて先に進めない」「権利関係の勉強方法が分からない」という方も多いのではないでしょうか。
宅建試験までに権利関係の苦手意識をなくすためにも、本コラムでは勉強方法や出題傾向、効果的な覚え方について説明します。
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宅建の「権利関係」とは?問題数や目標点、出題範囲など
宅建試験の勉強をする際、「権利関係は捨てるべき科目か?」と悩む方は少なくありません。
ここでは以下の3つに分けて、権利関係を捨てるのはありか、問題数や出題範囲などを解説します。
- 宅建の「権利関係(民法等)」とは?捨てるのはあり?
- 「権利関係」の問題数と目標点
- 「権利関係」の出題範囲
それぞれ見ていきましょう。
宅建の「権利関係(民法等)」とは?捨てるのはあり?
結論からお伝えすると、宅建の権利関係は捨てるべき科目ではありません。
なぜなら、宅建試験において権利関係の配点は宅建業法の次に高い重要科目であり、基本となる考え方を学べる科目だからです。
とはいえ、権利関係のほとんどは「民法」について問われており、司法試験や司法書士試験にも出題される難易度の高い分野。
宅建試験を受けたことのある方や法律学部だった方以外は、法律的思考が身についておらず、苦戦するのも無理はありません。
権利関係の勉強に際して深入りは禁物ですが、一通り勉強しておくのがコツです。
民法で勉強する項目には、民法総則や物権、債権、相続が挙げられます。
特に、意思表示や代理、時効、抵当権、相続などは頻出項目であり、不動産の実務においても結びつきが深いものばかりです。
宅建業法にも活かせる知識であるため、勉強しておきたい科目といえるでしょう。
しかし、言い回しや法律用語が難しく苦手とする方が多いのも事実です。
ぼんやりと問題文を読んでいると何を問われているのか分からなくなってしまうため、関係図を描くなどして整理しながら読むことをおすすめします。
また、条文の趣旨や理由を理解するなどして効率よく勉強すれば、合格へ近づくことも十分可能なため、捨て科目にするのはやめましょう。
「権利関係」の問題数と目標点
権利関係の問題数は、問1〜14の14問です。
問題数と目標点を分かりやすいように、以下の表にまとめています。
| 分野 | 問題数 | 目標点 |
|---|---|---|
| 民法 | 10問 | 6~7点 |
| 借地借家法 | 2問 | 1~2点 |
| 区分所有法 | 1問 | 1点 |
| 不動産登記法 | 1問 | 0~1点 |
| 合計 | 14問 | 8~9点 |
問題数14問のうち8〜9点ほど正解すれば、宅建業法や法令上の制限、税その他などを含めた総合点で合格が見込めます。
権利関係の重要性は上がりつつありますが、満点を目指さずとも合格を目指せるため、諦める必要はありません。
「権利関係」の出題範囲
権利関係の出題範囲は、以下のとおりです。
- 民法:売買や賃貸などの契約に関わるルールが定められている
- 借地借家法:土地や家を借りる場合のルールが定められている
- 区分所有法:マンションの区分所有などに関わるルールが定められている
- 不動産登記法:不動産の登記に関わるルールが定められている
全体の問題数50問のうち権利関係は14問も出題されるため、この科目でどれだけ点数をとれるかが合格の鍵です。
条文の暗記もある程度は必要ですが、問題の趣旨や目的を理解することが欠かせません。
項目別の詳しい内容や押さえておくべきポイントは、後述しています。
「権利関係」で必ず出る問題とは?優先順位と押さえるべきポイント
権利関係では、借地借家法、区分所有法、不動産登記法は毎年必ず出題されています。
民法の範囲は広いですが出題範囲が偏っているため、出題率の高い項目に絞って学習するのがおすすめです。
ここでは、各項目でどのような問題が問われるのか、覚えておくべきポイントを紹介します。
民法
民法は権利関係において14問のうち10問を占めるため、出題率の高い項目を重点的に勉強することで、目標点数の6~7点を目指せます。
出題率の高い項目は、以下のとおりです。
- 意思表示
- 制限行為能力者
- 代理
- 時効
- 不法行為
- 不動産物権変動
- 相続
- 賃貸借
- 抵当権、根抵当権
民法のうち以上の項目が解けるようになると、権利関係全体の点数が安定してくるでしょう。
事実関係を図などで整理することで視覚的な理解が進み、回答スピードもアップします。
また、「民法ではこのような考え方だが、この場合は民法ではなく借地借家法が優先される」という風に、他の分野においても基準にして考えることが少なくありません。
したがって、民法から重点的に勉強するとよいでしょう。
借地借家法
借地借家法は、民法で定められたルールだけでは借主の立場が貸主に比べて弱くなってしまうため、「借主の保護」を目的として作られた法律です。
問題数は、借地分野と借家分野からそれぞれ1問となっています。
そのため借地借家法を満遍なく勉強する必要がありますが、理解しやすいのは借家よりも借地です。
借家は、通常の建物賃貸借に加えて、「定期建物賃貸借」や「一時使用目的の建物賃貸借」などが出題されるため、理解するのに時間がかかってしまいます。
借地と借家は似た内容も少なくありません。それぞれを比較しながら覚えていきましょう。
区分所有法
区分所有法はマンションに関わるルールを定めている法律であり、毎年1問出題されています。
マンションは、一戸建てのようにすべての土地や建物を個人が所有するわけではありません。
マンションの一室を所有する複数の区分所有者が、それぞれの割合で土地や建物を所有しています。
複数の区分所有者でマンションを共有しているため、ルール決定や管理方法などは全体で統一した意思決定をしなければなりません。
代表例として、区分所有者が守るべきルールである「規約」や、区分所有者が集まって話し合いや決定を行う「集会」などが挙げられます。
規約や集会に関わるルールは、宅建試験のなかでも出題率が高い傾向にあるため、そこに絞って勉強するとよいでしょう。
とはいえ1問しか出題されない項目に時間を割くのは非効率です。過去問などで「よく出る問題」に絞って勉強することをおすすめします。
不動産登記法
不動産登記法は、土地や建物の所有権が誰にあるのかを明確にし、権利の保全と取引の安全を目的として作られた法律です。
登記申請が必要な方や、登記簿に掲載される内容などが定められています。
登記は「表題部」と「権利部」に分かれているため、それぞれが混同しないように気をつけながら勉強しましょう。
また、不動産登記法は試験対策が難しい分野でもあります。
なぜなら、年によって易しい問題と難しい問題のいずれかが出題されるからです。
比較的易しい、よく問われる問題は正解率が上がりやすく、細かい知識を問う問題は下がりやすい傾向にあるため、比較的易しい、よく問われる問題を想定して対策しておきましょう。
区分所有法と同様に1問しか出題されないため、勉強時間を割きすぎないように注意が必要です。
「権利関係」はなぜ難しい?問題の傾向や出題形式
権利関係が難しいと感じる理由は、法律用語のため言い回しが独特であり、問題文を理解するのに時間がかかってしまうからです。
事例問題も多く、すぐに答えを出せる問題ではないため、図を描くなどして整理しながら解くとよいでしょう。
ここでは、権利関係の問題の傾向や出題形式の例を紹介します。
「権利関係」の問題の傾向
権利関係の問題の傾向は、以下のとおりです。
- 民法は事例問題が多いため文章を読み解く力が必要
- 問題文が長く複雑なため解くのに時間がかかる
- 範囲が広く暗記でカバーできない
民法は事例問題が多く、結論だけ暗記しても本番では応用がききません。
そのため、「法律が作られた理由は何か」、「問題文の目的は何か」など、文章を読み解く力が必要になります。
問題文は長く複雑なため、ただ読んでいるだけでは何を問われているのか分からなくなるもの。図を書いて事実関係を整理し、視覚的に理解することが大切です。
事例とその結論の暗記だけでなく、問題文や回答、解説などを暗記するのもおすすめしません。
過去問がそのまま出題されることは少なく、応用問題が出題されたときにも対応できないからです。
様々な出題形式
権利関係は、出題形式のバリエーションが多い科目です。出題形式の例を以下にまとめています。
- 法律の規定をそのまま出題する問題
- A、B、C…と登場人物が多い問題
- 裁判所の判例文を抜粋して、要旨を尋ねる問題
- 制度と制度を比較する問題
権利関係は様々な出題形式の問題が出てくるため、難しく感じてしまいます。
正解率を上げるためにはこれらの形式に慣れなければならず、権利関係の勉強に時間がかかる主な原因はここにあるわけです。
「権利関係」の勉強法!覚え方やコツをわかりやすく解説
ここでは、権利関係の勉強法を5つ紹介します。
- 深入りしすぎない
- 丸暗記しようとしない
- 関係図を描く
- 問題に慣れる
- 早めに勉強を始める
それぞれ見ていきましょう。
①深入りしすぎない
奥が深い民法を完全に理解しようとすると、膨大な時間がかかります。
また、勉強していくうちに面白いと感じ、試験に関係のないところに時間を使ってしまうことも少なくありません。
そうならないためにも、試験の出題範囲を正確に把握し、必要な部分に焦点を当てることが大切です。
民法の出題範囲を正確に把握することは、効果的な学習計画の基盤となります。
どの項目が重要であるかを理解し、それに基づいて学習の進捗を管理しましょう。
②丸暗記しようとしない
権利関係は、条文が1000を超える広範な内容を含んでいます。
丸暗記するには膨大な時間がかかりますが、仮に丸暗記したとしても事例問題が多いため、条文の丸暗記では太刀打ちできないでしょう。
また、過去問がそのままの形で出題されることはほとんどありません。
無駄な労力を避けるために丸暗記に頼るのではなく、問題の趣旨や目的を理解することが重要です。
誰が何を行って何が問われているのかを把握し、理解度を深めましょう。
③関係図を描く
問題文が長く、登場人物が多い権利関係の問題は、文章を読むだけでは理解しにくいことがあります。
関係図を描くことで、誰が何をしたのかを視覚的に整理でき、理解を進めることが可能です。
これによって、抽象的な権利関係を具体的なイメージとして捉え、効果的な勉強を行えるでしょう。
④問題に慣れる
権利関係は、事例問題が多く出題されます。
知識を覚えただけでは不十分で、その知識を実際の状況に適用できるようになることが重要です。
定期的に問題集や過去問を解くことで、覚えた知識を実践的に使えるようになり、試験に対する実践力が身につくでしょう。
また、問題集や過去問を活用して、様々な問題形式に慣れることも大切です。
同じテーマであっても、問われる視点やアプローチが異なることがあります。
幅広い視点から問題にアプローチできるようになると、試験の幅広い範囲に対応できるでしょう。
⑤早めに勉強を始める
権利関係は範囲が広く、理解に時間がかかる傾向があります。
早めに勉強を開始し、基礎をしっかりと身につけることで、後の勉強がスムーズに進むでしょう。
焦らず計画的に進め、深い理解を築くことが大切です。
また、民法の基礎を学ぶことで、借地借家法や区分所有法、不動産登記法など他の法律問題への理解も深まります。
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まとめ
権利関係は宅建試験のなかでも範囲が広く難しい科目ですが、学習範囲を絞り効率よく勉強することで、安定した点数を取得することが可能です。
点数が安定すれば宅建試験において大きなアドバンテージとなること間違いありません。
権利関係の理解は不動産実務においても重要なスキルとなるため、宅建受験は将来のキャリア形成にも繋がります。
ぜひ、本コラムを参考に「権利関係」を効率よく勉強して、一発合格を目指しましょう。
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この記事の著者 新川 優香
現在は不動産ライターとして不動産売買仲介から賃貸仲介、物件管理に関わる執筆活動をしている。
保有資格は宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、FP2級。