マンション管理士と弁護士のダブルライセンスは良い? など解説
- 2024.12.21

マンションの維持・管理に関する国家資格であるマンション管理士。
民法をはじめ法令が絡む業務に携わることも多いため、弁護士資格とのダブルライセンスを狙っている方もいるでしょう。
当コラムでは、マンション管理士と弁護士のダブルライセンスについて、メリットや難易度を詳しく解説します。
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マンション管理士と弁護士のダブルライセンスは良い?
ここでは、マンション管理士と弁護士のダブルライセンスのメリットについて、以下の内容で解説します。
- 管理組合の顧問をしたり、法律相談に乗ることができる
- 他の弁護士との差別化を図ることができる
- 不動産実務の知識を得られる
マンション管理士の業務中には、法律の専門家である弁護士の知識が役立つ場面がたくさんあります。
また、マンションの維持・管理に携わることで不動産関連の知識を得られ、弁護士の業務に役立てられる機会もあるでしょう。
管理組合の顧問をしたり、法律相談に乗ることができる
マンション管理士と弁護士のダブルライセンスを持っていると、管理組合の顧問をしたり、法律相談に乗ったりすることができます。
マンション管理士は、管理組合の管理者や分譲マンションの購入者などの相談に応じ、必要に応じて助言や指導を行います。
管理者側が確実な法律知識を有していることは、より良質なサービスを提供することに繋がるでしょう。
トラブル解決を依頼された際も、民法知識に基づく仲裁が可能です。
「騒音」や「ゴミ出し」といった隣人トラブルも、スムーズに解決できるでしょう。
他の弁護士との差別化を図ることができる
弁護士がマンション管理士の資格をもつことで、他の弁護士との差別化を図れます。
依頼人ありきの客商売である以上、いかに弁護士といえども資格の知名度だけでビジネスを成立させることは困難です。
「ならでは」の差別化やブランディングが求められる中、マンション管理士とのダブルライセンスは非常に有利といえます。
「不動産やマンション関連に強い弁護士」であることをマンション管理士資格保持によって示すことができ、クライアントの幅を広げることもできるでしょう。
不動産実務の知識を得られる
弁護士がマンション管理士の資格を取得することで、不動産実務の知識を得られます。
マンション管理士の試験では不動産関連の法令だけでなく実務問題も出題されます。
試験勉強を通じて実務面の知識を獲得することで、弁護士業の方でもより現場の実態に即した対応ができるようになるでしょう。
弁護士は多分野の法令に精通する専門家である分、一般的には「不動産」分野にだけ特化した知識を備えているわけではありません。
マンション管理士として不動産の管理業務に携わることで、「不動産関連で頼れる弁護士」として魅力づけを行うことも可能です。
司法試験合格者はマンション管理士試験に簡単に合格できる?
司法試験の合格者だからといって、マンション管理士試験に簡単に合格できるわけではありません。
弁護士となるためには基本的に司法試験の合格が必要。この司法試験は最難関の国家資格ともいわれる難易度の高い試験です。
司法試験を突破できたのであれば、マンション管理士試験も余裕と考える人もいるでしょう。
まずは、マンション管理士試験の試験科目を見ていきましょう。
| 法令 | 民法・その他法令 | 約6問 |
| 区分所有法等 | 約12問 | |
| 標準管理規約 | 約8問 | |
| マンション管理適正化法 | 5問 | |
| 管理実務 | 標準管理委託契約書等・合計 | 約4問 |
| 建築・設備 | 約15問 | |
| 合計 | 50問 | |
マンション管理士試験では、法令関係の問題も多く出題されます。
弁護士としての知識を活かして「法令セクション」で満点を取れれば、23点ほどの得点は確保できる計算です。
しかし、マンション管理士の合格基準点は36〜40点であることが多いため、法令関連で満点を取るのみで合格するのは難しいでしょう。
さらに、司法試験合格者であっても、マンション管理士試験の法令科目を満点突破できるとも限りません。
いずれにせよ、法令以外の「管理実務」や「建築・設備」科目でも点を伸ばせなければ合格は難しいでしょう。
弁護士の専門分野である法令問題が多く出題される以上、まったくの初学者と比較すれば知識面で大きなアドバンテージがあることは確かです。
しかし、確実に合格したいのであれば、慢心せずにしっかりとした対策を行う必要があるでしょう。
司法試験とマンション管理士の難易度を比較!合格率・勉強時間
司法試験とマンション管理士試験を難易度の面で比較すると、司法試験の方が高難易度と結論づけられます。
ここでは、試験難易度を測る際に尺度としてよく用いられる「合格率」と「合格に必要な勉強時間」を用いて、以下の内容で2試験を分析します。
- 合格率比較
- 勉強時間比較
合格率比較
最新の試験データを参考にすると、令和7(2025)年の司法試験の合格率は41.2%、令和7(2025)年のマンション管理士試験の合格率は11.0%でした。
直近5年間では、司法試験は41.2〜45.5%・マンション管理士は9.9〜12.7%程度で推移しています。
試験の合格率だけを比較すると、一見したところ司法試験の方が難易度が低く見えます。マンション管理士も国家資格であり、合格率の低い難関資格であることは間違いありません。
ただし、司法試験は受験条件として原則、予備試験合格か法科大学院修了が求められます。
予備試験の最終合格率は、最新の令和7(2025)年最新の値が3.6%。
過去5年のデータでも3.6〜4.2%を記録しており、突破が極めて難しい試験であることがわかります。
さらに、法科大学院修了からの受験を目指す場合は、予備試験を突破して受験した場合の合格率を大きく下回ります。
つまり、司法試験の高い合格率の実態は、受験に至るまでの過程で多くの受験者が足切りされていることによる見かけ上のものと言えるでしょう。
よって、表面的な合格率を見て「司法試験よりもマンション管理士試験の方が難しい」と結論づけるのは避けた方が良いでしょう。
勉強時間比較
合格に必要な学習時間で比較すると、マンション管理士試験は500〜700時間・司法試験は3000〜8000時間ほどが目安となります。
司法試験と比較するとマンション管理士の学習時間は短く見えますが、「500時間」は毎日コンスタントに3時間勉強して5か月半かかる計算です。
最低でもマンション管理士の6倍ほどの学習時間が必要とされる司法試験ともなれば、年単位で学習を進めていく覚悟が必要でしょう。
特に、法科大学院を修了して受験するルートでは、最短でも4〜5年は見積もっておかなくてはなりません。
予備試験ルートでは所定のカリキュラムなどは存在しないためより短期間で挑戦できますが、それでも2年以上は学習期間が必要となるでしょう。
まとめ
当コラムでは、弁護士とマンション管理士のダブルライセンスについて、以下の内容で解説しました。
- 弁護士とマンション管理士のダブルライセンスは、良質なサービスが提供できる・不動産実務を経験できるなどのメリットがある。「不動産に強い弁護士」としての魅力づけも可能。
- 弁護士であることはマンション管理士試験に挑戦する際にアドバンテージにはなるが、合格は簡単ではない。
- 合格率では、マンション管理士は10%ほど・司法試験は40%ほど。ただし、司法試験は予備試験で多くの受験生が足切りされている。
- 必要学習時間は、マンション管理士で500時間ほど・司法試験で5000時間以上。
弁護士とマンション管理士は業務内容的に相性がよく、ダブルライセンスはかなりの難関ですが目指す価値は十分にあります。
どちらも独学での学習はかなり難しいため、アガルートをはじめとする通信講座の利用もおすすめです。
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